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日本の国力が他国に比して落ちている原因は、外需依存型の産業構造の転換が遅れ、新興国と競う形でわが国の技術や製品の優位性が徐々に薄れてしまったことだ。また、労働市場が硬直化していることで正規社員の高齢化が進み、新規雇用者の参入を阻んでいる。
 民主党政権はバラマキ型の経済政策が好きで、財政支出で東日本大震災の復興が実現すると思い込んでいる。むしろ、特区制度などの規制緩和を優先した方が民間の活力をうまく活用でき、財政悪化も最低限に食い止められる。



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 改革には、農地の売買や賃貸借を進めたり、眠っている農地を有効活用したりして、農地を集約する仕組み作りが必須だ。
 農家の戸別所得補償制度は、補助金を一律支給するバラマキ方式のため、零細農家が補助金目当てで営農を続ける事態を招いている。
 零細農家を補助金の対象から外すなど、農地の大規模化や生産性向上につながる内容に制度を修正することが先決と言える。
 宅地に比べて優遇されている農地税制の改革や、農地の売買や賃借に権限を持つ農業委員会の見直しなども急がねばならない。



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 政府税制調査会は11日、東日本大震災の被災地に設ける復興特別区域(特区)の新設企業について、法人税を5年間、実質的にゼロにする追加の支援税制を決定した。五十嵐文彦財務副大臣は会合後の記者会見で、沖縄の特区にも同様の法人税優遇税制を導入する考えを示した。
 復興支援の法人税の実質免除は、被災自治体のうち震災や津波で多数の失業者が出たり、生産設備が著しい被害を受けたりした地域の特区に適用。特区内に新設し、15年度末までに指定を受けた企業は、指定日から5年分の所得を「再投資等準備金」として無税で積み立てることができる。
 積み立てた資金を特区内で設備や建物に再投資することが条件。被災者を5人以上雇い、1000万円以上の人件費を支払うことや、指定を受けた年に3億円(中小企業は3000万円)以上の投資をすることを義務付ける。
 安住淳財務相は税調で「(法人税ゼロは)これまでの日本の税制でなかったことであり、大きな第一歩だ」と述べた。五十嵐副大臣は「製造業をはじめ、雇用に結びつく企業に活用していただきたい」と話した。
 この日の税調では臨時増税について、税制改正大綱も決定した。「復興特別所得税」「復興特別法人税」などの特別税を創設すると明記。



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 20年間、日本は不況脱出のために積極的な財政金融政策を採り続けたが、名目GDPは逆に減少した。もはや伝統的なケインズ政策は効かなくなったのだ。欧米経済もこれから日本と同じ道をたどる可能性が高い。
 「成長のためのフロンティア」が消滅したことが、先進国経済低迷の根本的原因である。
 当面、日本は欧米ほど危なくはないということなので、円高は当分続くと見なければなるまい。
 円高を悲願するのではなく、これを積極的に活用する発想を持つことだ。欧米経済の深刻な状況を考えれば、多少の為替介入や日銀の量的緩和政策で為替レートを円安に戻すことなど、ほとんど不可能に近い。
 たとえば、円高によって安価になった海外資産(企業)をM&Aによって積極的に取得し、日本企業が本格的なグローバル経営に乗り出すという発想である。
 第2に、医療・介護・福祉・教育・文化などの分野で最先端の商品・サービスを開発するという発想を持つことだ。
 従来、若者向け輸出商品の開発に集中してきた日本企業の経営努力を、高齢者向けの商品・サービスの開発に振り向けるのである。
 第3に、環境技術や再生エネルギー技術に磨きをかけ、日本が世界になくてはならない国になることだ。



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 大震災の復興にも、「社会保障と税の一体改革」にも増税が必要だ。それで景気が失速することはないし、それなしに日本の危機は克服できない。
 増税分は復興事業に役立つのであって、歳出面のプラス効果で景気は回復軌道を歩んでいくだろう。
 むろん、個人や企業の負担増に配慮して、政府資産の売却などで増税幅を圧縮する努力は今後も欠かせない。
 経済を伸ばせば社会保障の財源不足は埋まるという古い考えは通用しない。
 通常国会で税制改革法案が通れば、いずれ総選挙だ。
 消費税率の引き上げに当たっては「完全目的税」、つまり高齢者の年金、医療、介護と、子育ての4経費以外には使わないことを会計的にも法律的にも決め、国民の信頼を得たい。当然、国会議員の定数削減や選挙制度改革で政治家も身を切ることが前提となる。
 国債が暴落すると、それを大量に抱える銀行の経営が破綻し金融恐慌に陥りかねない。そんな事態を招かないためにも税制改革は欠かせないのだ。



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