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 TPP交渉への参加は、野田政権が抱える最重要課題のひとつ。反対論が強い民主党内を抑えられるかが焦点だ。
 TPPは関税の原則撤廃を目指している。輸入品に対抗するため、民間企業の参入を容易にするなど農業を強くする規制改革が課題となる。
 交渉に参加できれば、特定品目の例外化や食品安全規準の維持を求める機会が得られる。「畜産と野菜を輸出産業にする」好機となる。
 規制改革は個別のEPAにも重要だ。EUとの交渉で日本が求められているのは、政府調達規準など貿易・投資を妨げている規制の緩和だ。すでに政府の行政刷新会議は自動車整備工場の面積要件、酒類卸売業の認可、食品添加物の認証などについて改善策を示している。
 制度・慣行の共通化は細かい規定を一つひとつ改善させる作業だが、中長期的にみれば外資の対日進出を促し、潜在成長率の向上と雇用増大を加速させる効果が期待できるだろう。



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 復興増税を長期分割にすれば単年度の納税者負担が軽くなるというが、そのような余裕が今の日本にあるのだろうか。欧州の信用不安も全く教訓になっていないようである。
 900兆円もの借金の山があるからこそ、もはや従来通りの国債依存は続かないと考えるべきである。
 借金は大きくても、増税余地があるとみられているから何とか信用を維持してこられたのが日本の財政だ。しかし、格付け会社も投資家も、「増税余地はあっても実施する政治の意思があるのか」と疑念を強めている。この先、増大する社会保障費をまかなうための消費税増税が控えているが、市場は、日本がついに財政規律を重んじる国に転換するのかどうかを見極めようとしている。復興増税はその試金石なのだ。
 欧州の信用不安で、国家の借金に対する市場の目はかつてなく厳しい。市場の不信から金利が高騰を始めれば、借金で借金を返す従来パターンは瞬時に破綻してしまう。欧州の例を見れば明らかだ。そうなった時の国民負担は、5年間の集中増税の重みなどとは比較になるまい。



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 少子高齢化で内需が縮小する日本は、積極的に市場を開放し、海外の活力を取り込んで経済成長を実現する必要がある。
 政府はTPPへの参加を早期に決断すべきだ。自由で開かれた通商の仕組みを作っていく一員になることが重要なのである。
 TPPは、物品の関税撤廃だけでなく、サービス、政府調達、知的財産、環境など21分野に及ぶ。アジア太平洋地域の新たな貿易・投資ルールとなろう。
 日本が早期に交渉に加われば、重要品目の扱いや貿易・投資について、日本に有利なルール作りを主張できる。参加表明が遅れた場合、交渉参加も不透明になる。交渉決着後では、不利なルールを受け入れるしかない。
 韓国は米欧とのFTAを早々にまとめた。日本の決断が遅くなるほど、さらに韓国に先行され、海外市場を奪われる事態が現実味を帯びる。
 超円高や電力不足に直面した製造業では、生産拠点を海外に移転する動きが相次ぎ、空洞化が加速することも懸念される。
 TPP参加決断のカギを握るのは、民主党の経済連携PTの議論だ。首相が正式に参加表明できるよう、意見集約を急がねばならない。
 零細農家が多い現状を改革するには、担い手農家を中心に、農地の大規模化が肝要だ。バラマキ方式である農家の戸別所得補償制度を抜本的に修正し、競争力強化策を打ち出すべきだ。
 反対派に対して明確な改革案を示し、TPP参加の説得材料に活用する努力が要る。
 TPPの利点をもっとアピールする努力も欠かせない。製造業やサービス産業などは事業拡大のチャンスが広がる。中小企業による輸出先開拓も有望だ。



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 TPP反対論者は世界の安全や経済の成長がどういう枠組みで発展してきたのか考えたことがあるのか。
 日本は世界の潮流に乗り遅れていて、貿易のGDPに占める割合は、OECD34カ国中最低となっているのだ。
 貿易は、比較優位の品物が世界に広まり、世界中の人が最良の物を最も安い価格で手に入れられるのが理想である。
 自由化すれば、国内製品の質向上して、生産額も輸出額も国内産品も伸びる。
 米韓FTAの発効を機に、円高に伴う日本企業の韓国への流出は加速するだろう。韓国よりも関税率が2.5%高いのに加えて、法人税率は16%高く、電力料金は2.25倍も高い。
 農業参入を自由化するための農地法の改正が不可欠だ。
 規模拡大する農家に厚い補助をすること、コメの品種改良を行う一方、関税を自ら引き下げていくことが必要だ。



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ドクターシーラボ

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 経済成長を促すには民需を掘り起こす必要がある。民間参入を妨げている規制の撤廃・緩和に期待がかかる。



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