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TPP交渉への参加は、野田政権が抱える最重要課題のひとつ。反対論が強い民主党内を抑えられるかが焦点だ。
TPPは関税の原則撤廃を目指している。輸入品に対抗するため、民間企業の参入を容易にするなど農業を強くする規制改革が課題となる。
交渉に参加できれば、特定品目の例外化や食品安全規準の維持を求める機会が得られる。「畜産と野菜を輸出産業にする」好機となる。
規制改革は個別のEPAにも重要だ。EUとの交渉で日本が求められているのは、政府調達規準など貿易・投資を妨げている規制の緩和だ。すでに政府の行政刷新会議は自動車整備工場の面積要件、酒類卸売業の認可、食品添加物の認証などについて改善策を示している。
制度・慣行の共通化は細かい規定を一つひとつ改善させる作業だが、中長期的にみれば外資の対日進出を促し、潜在成長率の向上と雇用増大を加速させる効果が期待できるだろう。
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TPPは関税の原則撤廃を目指している。輸入品に対抗するため、民間企業の参入を容易にするなど農業を強くする規制改革が課題となる。
交渉に参加できれば、特定品目の例外化や食品安全規準の維持を求める機会が得られる。「畜産と野菜を輸出産業にする」好機となる。
規制改革は個別のEPAにも重要だ。EUとの交渉で日本が求められているのは、政府調達規準など貿易・投資を妨げている規制の緩和だ。すでに政府の行政刷新会議は自動車整備工場の面積要件、酒類卸売業の認可、食品添加物の認証などについて改善策を示している。
制度・慣行の共通化は細かい規定を一つひとつ改善させる作業だが、中長期的にみれば外資の対日進出を促し、潜在成長率の向上と雇用増大を加速させる効果が期待できるだろう。
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少子高齢化で内需が縮小する日本は、積極的に市場を開放し、海外の活力を取り込んで経済成長を実現する必要がある。
政府はTPPへの参加を早期に決断すべきだ。自由で開かれた通商の仕組みを作っていく一員になることが重要なのである。
TPPは、物品の関税撤廃だけでなく、サービス、政府調達、知的財産、環境など21分野に及ぶ。アジア太平洋地域の新たな貿易・投資ルールとなろう。
日本が早期に交渉に加われば、重要品目の扱いや貿易・投資について、日本に有利なルール作りを主張できる。参加表明が遅れた場合、交渉参加も不透明になる。交渉決着後では、不利なルールを受け入れるしかない。
韓国は米欧とのFTAを早々にまとめた。日本の決断が遅くなるほど、さらに韓国に先行され、海外市場を奪われる事態が現実味を帯びる。
超円高や電力不足に直面した製造業では、生産拠点を海外に移転する動きが相次ぎ、空洞化が加速することも懸念される。
TPP参加決断のカギを握るのは、民主党の経済連携PTの議論だ。首相が正式に参加表明できるよう、意見集約を急がねばならない。
零細農家が多い現状を改革するには、担い手農家を中心に、農地の大規模化が肝要だ。バラマキ方式である農家の戸別所得補償制度を抜本的に修正し、競争力強化策を打ち出すべきだ。
反対派に対して明確な改革案を示し、TPP参加の説得材料に活用する努力が要る。
TPPの利点をもっとアピールする努力も欠かせない。製造業やサービス産業などは事業拡大のチャンスが広がる。中小企業による輸出先開拓も有望だ。
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政府はTPPへの参加を早期に決断すべきだ。自由で開かれた通商の仕組みを作っていく一員になることが重要なのである。
TPPは、物品の関税撤廃だけでなく、サービス、政府調達、知的財産、環境など21分野に及ぶ。アジア太平洋地域の新たな貿易・投資ルールとなろう。
日本が早期に交渉に加われば、重要品目の扱いや貿易・投資について、日本に有利なルール作りを主張できる。参加表明が遅れた場合、交渉参加も不透明になる。交渉決着後では、不利なルールを受け入れるしかない。
韓国は米欧とのFTAを早々にまとめた。日本の決断が遅くなるほど、さらに韓国に先行され、海外市場を奪われる事態が現実味を帯びる。
超円高や電力不足に直面した製造業では、生産拠点を海外に移転する動きが相次ぎ、空洞化が加速することも懸念される。
TPP参加決断のカギを握るのは、民主党の経済連携PTの議論だ。首相が正式に参加表明できるよう、意見集約を急がねばならない。
零細農家が多い現状を改革するには、担い手農家を中心に、農地の大規模化が肝要だ。バラマキ方式である農家の戸別所得補償制度を抜本的に修正し、競争力強化策を打ち出すべきだ。
反対派に対して明確な改革案を示し、TPP参加の説得材料に活用する努力が要る。
TPPの利点をもっとアピールする努力も欠かせない。製造業やサービス産業などは事業拡大のチャンスが広がる。中小企業による輸出先開拓も有望だ。
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TPP反対論者は世界の安全や経済の成長がどういう枠組みで発展してきたのか考えたことがあるのか。
日本は世界の潮流に乗り遅れていて、貿易のGDPに占める割合は、OECD34カ国中最低となっているのだ。
貿易は、比較優位の品物が世界に広まり、世界中の人が最良の物を最も安い価格で手に入れられるのが理想である。
自由化すれば、国内製品の質向上して、生産額も輸出額も国内産品も伸びる。
米韓FTAの発効を機に、円高に伴う日本企業の韓国への流出は加速するだろう。韓国よりも関税率が2.5%高いのに加えて、法人税率は16%高く、電力料金は2.25倍も高い。
農業参入を自由化するための農地法の改正が不可欠だ。
規模拡大する農家に厚い補助をすること、コメの品種改良を行う一方、関税を自ら引き下げていくことが必要だ。
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日本は世界の潮流に乗り遅れていて、貿易のGDPに占める割合は、OECD34カ国中最低となっているのだ。
貿易は、比較優位の品物が世界に広まり、世界中の人が最良の物を最も安い価格で手に入れられるのが理想である。
自由化すれば、国内製品の質向上して、生産額も輸出額も国内産品も伸びる。
米韓FTAの発効を機に、円高に伴う日本企業の韓国への流出は加速するだろう。韓国よりも関税率が2.5%高いのに加えて、法人税率は16%高く、電力料金は2.25倍も高い。
農業参入を自由化するための農地法の改正が不可欠だ。
規模拡大する農家に厚い補助をすること、コメの品種改良を行う一方、関税を自ら引き下げていくことが必要だ。
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韓国は、交渉中のものまで含めるとFTA相手国・地域との貿易額は全体の6割以上に達する。4割に満たない日本の出遅れが目立つ。日本の自動車など輸出産業界が、韓国企業との競争で不利な条件を強いられることに危機感を募らせるのも当然だ。
野田首相は、TPPへの参加を、速やかに決断すべきである。
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野田首相は、TPPへの参加を、速やかに決断すべきである。
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少子化で国内市場が縮小するなか、成長著しいアジア太平洋地域を中心に経済連携を深めることは欠かせない。この点で異論は少ないはずだ。
日本がもたつく間も、世界は動いている。自動車や電機といった日本の主力産業でライバルとなった韓国が典型だ。
EUとのFTAが7月に発効したのに続き、米国とのFTAも米議会が法案を可決し、来年早々の発効に近づいた。米国は乗用車に2.5%、トラックに25%など関税をかけているが、韓国製品には順次撤廃される。
EUでも乗用車の10%、薄型テレビの14%といった関税が、対韓国では削減・撤廃されていく。日本の産業界は危機感を強めており、欧米や欧米とFTAを結ぶ地域への工場移転に拍車がかかりかねない。
韓国は90年代末、「外需が国の生き残りのカギ」と見定め、農業の保護策をまとめつつFTA推進へかじを切った。日本と比べて経済規模が小さく、貿易への依存度が極めて高いなど、事情に違いはある。ただ、明確な戦略と実行力に学ぶべき点は少なくない。
TPPへの参加は、経済連携戦略での遅れを取り戻す、またとない機会だ。
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日本がもたつく間も、世界は動いている。自動車や電機といった日本の主力産業でライバルとなった韓国が典型だ。
EUとのFTAが7月に発効したのに続き、米国とのFTAも米議会が法案を可決し、来年早々の発効に近づいた。米国は乗用車に2.5%、トラックに25%など関税をかけているが、韓国製品には順次撤廃される。
EUでも乗用車の10%、薄型テレビの14%といった関税が、対韓国では削減・撤廃されていく。日本の産業界は危機感を強めており、欧米や欧米とFTAを結ぶ地域への工場移転に拍車がかかりかねない。
韓国は90年代末、「外需が国の生き残りのカギ」と見定め、農業の保護策をまとめつつFTA推進へかじを切った。日本と比べて経済規模が小さく、貿易への依存度が極めて高いなど、事情に違いはある。ただ、明確な戦略と実行力に学ぶべき点は少なくない。
TPPへの参加は、経済連携戦略での遅れを取り戻す、またとない機会だ。
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