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 復旧・復興に向けた事業費を増税で賄うことには反対しないが、PFIや建設国債の活用、歳出削減によって財源を捻出し、残りを増税で賄うという視点が大切だ。
 社会保障費については、財源の裏付けとなる消費税率引き上げの実現が不透明になっている。プライマリーバランスの赤字幅を平成27年度に半分にする目標を掲げているが、実現に向けた方策は何も示されておらず説得力はない。
 増税する場合も、時期は慎重に見極める必要がある。財政出動による復興需要が顕在化する今年から来年ぐらいにかけては、デフレから脱却する千載一遇のチャンスだ。そのときに増税で景気を冷やすようなことはすべきではない。
 成長戦略の具体化も急務だ。TPPへの参加や法人税の実効税率引き下げなど、企業のビジネスコストを下げる方策が欠かせない。
 円高対策では、日銀の金融政策と連携し、政府の経済・財政政策も一体となって対応することが重要だ。






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 最大の勝因は「野田氏らしさ」ではないか。それは候補者の中でただひとり、復興増税に賛成し、税と社会保障の一体改革でも、政府の消費増税の方針の堅持を明確に唱えたことだ。ぶれずに増税の必要性を訴えた姿勢に、一定の共感が広がったのは間違いない。
 国債が格下げされるなど、日本財政は危機的な状況にある。にもかかわらず、政治家は国民に厳しい現実を説いて負担を求めることをいとい、必要な決定を先送りしてきた。
 野田氏の当選を、こんな「先送りの政治」から脱却する機会にしなければならない。






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 野田氏はまた、震災復興の財源について「将来世代に先送りせず、今を生きる世代で連帯して負担を分かち合う」と唱え、臨時増税を明確に主張したのは、現実的な判断だ。
 増税で財源を確保するためには、所得税、法人税だけではなく、消費税の税率引き上げも検討すべきである。
 野田氏は、消費税率の段階的な引き上げを柱とする、社会保障と税の一体改革についても、これ以上先送りできないと語った。
何より重要なのは、こうした野田氏の主張が、「マニフェスト堅持路線」よりも支持を得た、という事実である。






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 消費税10%ではまだ不十分で、欧州並みの15%以上は必要になると思う。スウェーデンの25%など、福祉国家と呼ばれる国では消費税が高い。消費税は逆進税への批判もあるが、政府支出で最も多いのは社会保障だ。主に中所得以下の層へ給付されることを考えれば、結果的に平等化が進む。
 家族や会社が社会保障を下支えしたような時代は過ぎ去った。社会保障を強化し、高福祉・高負担の方向性を目指すべきだ。税は低いに越したことはないが、将来世代へのつけ回しを避けるためにも増税は不可避。『経済成長がすべての問題を解決してくれる』という高度成長期の発想からは脱却すべきだ。
 満額6万6千円の基礎年金をさらに手厚くし、全額を税を賄う。所得比例部分はスリム化し、子どもや若者の社会保障にシフトさせる。政治家は給付の削減や効率化を言いたがらないが、当然考えるべきだ。





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 新首相は第1に「開かれた復興」をてこに新たな成長を導くことだ。激動するグローバル経済とのかかわりなしに復興も成長もない。世界で最高水準の法人税率を下げなければ、日本企業は海外にシフトし外資は呼び込めない。農業改革と合わせてTPPへの参加を急がなければならない。
 第2に財政健全化と社会保障制度改革である。日本国債の再格下げに、政治はあまりに鈍感だ。国債バブルが崩壊すれば、財政危機と金融危機が連鎖する。社会保障改革には消費税を活用するしかなく、世界で最低水準の消費税率の引き上げを棚上げするのは責任ある政治とはいえない。





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