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 先進国最悪の財政赤字を抱える日本の財政再建は待ったなしである。
 国民の理解を得て、歳出カットや消費税増税などを着実に進めねばならない。野田首相は不退転の決意で臨んでもらいたい。
 首相は、民主党代表選に出馬した5人の候補のうち唯一、東日本大震災の復興財源を確保するため、臨時増税の必要性を訴えた。財政規律を重視する姿勢は現実的で評価できる。
 首相の姿勢は、代表選で復興増税に反対し、対立した海江田万里・前経済産業相と馬淵澄夫・下国土交通相を、新内閣に入閣させなかったことにも表れている。
 日本の財政悪化に対する市場の目は厳しい。赤字国債頼みの放漫財政から脱却を急ぐべきである。
 財政の基本は収入に応じて支出せよということである。
 第3次補正予算案ではまず、被災地の復興に重要な事業を精査する。そのうえで、復興債を発行し、償還財源を増税で賄うことは有力な選択肢だろう。
 菅政権では、所得税や法人税の増税案が浮上したが、景気への悪影響を抑えつつ、安定財源を確保することが肝要だ。広く負担を求めるには、消費税率引き上げを中心に検討すべきだ。
 財政再建が景気の足を引っ張る事態を防ぎ、財政再建と成長を両立させねばならない。
 中長期的には、社会保障と税の一体改革が重要課題となる。
 新政権は、震災復興の財源確保策とともに、消費税率の引き上げに向けた、具体的な道筋を早急に示してほしい。与野党協議で合意することを求めたい。
 その前提として、民主、自民、公明3党合意に基づき、マニフェストのばらまき政策を見直し、徹底的に歳出を削るのは当然である。



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